新聞屋さんのバイクの音が近づいてくる
まだ夜だと思っているけれど、早朝かと首を回したり肩を回したりしてスマホで時間を確認した4時
インスタを開けると麻美さんのストーリーが上がっていた 本焼きしている、そうか、と再び手を動かす
納品の一週間前、WBCが盛り上がり日本チームに鼓舞されて焦りは治らないけれどなんだか味方がたくさんいるような気分になって、前向きな気持ちのまま制作していました
それがいいのかはわからないけれど、私にとっては制作に集中できる環境でした
2月中旬に橋本さんからコラボバッグ用の籠が届く
橋本さんの作品はしっかりと頼りがいがあり澄んでいる「澄んでいる」のを「綺麗」というのかなぁ
そういうものが織れたらと少しでも近づけたらと、工房のどこかにそのイメージを置いて糸を紡ぎ機支度をする
既存の自身の織り布を当てて見たのだがどれもいま一つで、ただ遠くはないから経糸と緯糸のバランスを少し変えたらひょっとするぞと
そんな不確かだけれど自信のある直感が糸に触れるごとにだんだんと大きくなりワクワクしながら整経の準備を始めます
その直感に従いこれだと決めた糸の、ヨリ具合や太さが少しずつ違ったものを並べて、きっとこれかなと思うもので整経をして織り始めると・・・ まさにピタリ、で今度はご機嫌で緯糸の準備を始めました
これは時間がタイトななか運がよかった
合わなかったらとどうしていたのか
糸と機の準備が整ったらもう織りあがったようなものです
大袈裟ではなくそのぐらい機支度は大切なことで準備が九割、織ることはご褒美のようなもの。あっという間に織りあがり、仕上げに入ります
このあたりで麻美さんのリングが到着しました こちらもピタリ、持ち手の幅にほどよくて布が馴染んできたらぎゅっと絞って安心の安定サイズ ミラクルミラクルと心躍り嬉しさを一人で噛み締めていられませんでした そこで橋本さんや麻美さんにチェックしていただきます 否定はしないとわかっているのに同じように追い込みのお二人に確認していただくずるい私、でもこのやりとりでお互いの距離が少しずつ近づき、色々と相談できるようになっていきました
そんなこんなで包む布やコラボバッグができ本日最終日を迎えています
三人展は合わせようとしなくても合うものかもしれませんし、合わせる必要はないかもしれませんが、ただ今回はお二人の思いやりや頑張りが直接の言葉はなくともその場にいなくても私が苦しみながらもやり遂げようと制作する大きな原動力となりました
これはこのお二人だったから それは三人とも猫を飼っていたから
それは三人とも山あいに住んでいたから
新聞屋さんを2晩迎えた翌日に「ちゃんと休んでください」と
いつもながらに応援してくださるクロスの刺繍をしていただいている twinkle garden さん そして店主の亜希子さん お二人なくしては実現しなかった三人展です こちらをご覧いただいている皆様、気にかけてくださっている皆様 お買い上げいただいた皆様 新たな道に向かって、いつも通りに今日も糸を紡ぐことができるのも皆様がいるから
ということ、お伝えいたしたくこちらへ文字にしました では最終日、よろしくお願いいたします harmonia 小川麻美 橋本晶子 飯島たま 三人展 3月25日から4月2日 手しごとの器・道具 テノナル工藝百職 最終日は16:30まで https://www.instagram.com/tenonaru_kougeihyakushoku/
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